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いつでも腐女子日和

腐女子な管理人が送る、腐女子発言多々の日々のつれづれ。

ほぉほぉっほっほ~(サンタ笑い)

メリークリスマス&ハッピークリスマスv

仕事の忙しさを乗り切って、なおかつ奮発して高いクリスマスケーキを食べて(資金は親、というかもう高いケーキしか残っていなかったのさ)、ご機嫌です、はい。

明日は今年最後の何もない休みです。
あと一日ある休みは(ちゃっかり有給)オタクの聖地へ行きますから、休みは休みでも休みでない、ということで。
しかし用事はもりもりしているので、果たして無事にこなせるか、
キーポイントです。

えっと、ではお待たせです。
久しぶりにお題小話、劉備×曹操です。
クリスマスに相応しい甘々かっぷるになっております。
全く、昨日読み返したときに、自分ついに忙しさで狂ったのか、と自身を疑うような甘さでしたが、まあ気になる人はどうぞご覧になってくださいませ。

ほぉほぉほっほ~(サンタ笑い・二度目)。

どきりとする10のお題 五つ目。



   「唇から覗く舌」



 今日も男は良くしゃべる、と聞いている劉備は思う。
 熱心に語る男とは対照的に、聞いているこちらは不熱心なほどに心ここにあらず、だ。
 内容も右の耳から左の耳へさようなら。
 確か初めのうちは、昨今城下を騒がしている詩才を持つ男についてだったような気がする。さすがにそのころはちゃんと相槌も打って、気の入った対応をしていたが、その話題が詩の内容、そしてどういう点が優れているか、という解釈に移った辺りから、劉備は欠伸を噛み殺すのに神経をすり減らしはじめた。
(どうしてこの人の声は、こう耳に快いのかな。それにこの陽気……眠い)
 中庭の片隅に置かれた長椅子に、小さな卓を挟んで聞いているが、上機嫌らしい曹操はウロウロと動きながら語りかけている。
(よく舌を噛まないなあ)
 などともう話の内容とは関係ないことを思いながら、段々と劉備の意識は睡魔へと誘われ……。


「劉備、おい、劉備……」
 自分を呼ぶ声に、はっと目を開いた。
「申し訳ありません、曹操殿。眠ってしまったようで……」
 慌てて謝り、しかし目を開いた先、すぐ目の前に曹操の顔があり、驚いて仰け反った。曹操は劉備の腰掛ける長椅子の隣へと来ていた。
「……っな、え?」
 驚きのあまり声を発せずにいる劉備へ、曹操はなぜか眉根を寄せた心配そうな顔で手を伸ばしてきた。
「どうした。疲れているのか?」
 額に掌が当てられる。
「――っ」
 突然のことに、劉備は固まったままだ。
「話の途中で寝てしまうなど、よほどのことであろう。疲れているのなら、これ以上付き合わせることはせぬが」
 間近で見つめてくる曹操の眼差しは、純粋に劉備を案じているものだ。
(この人は本当に……)
 ようやく自分を取り戻しつつあった劉備は、苦笑を禁じえない。
「貴方の話の途中で寝てしまうものは、今までいなかったのですか?」
「いや? なぜか結構多い。それが何か関係があるのか」
 不服そうな顔付きが妙に子供っぽい。
 やれやれ、とまた劉備は苦笑いを浮かべる。
「具合は悪くないですよ、いたって堅固です。だからこそ、貴方の声が心地よいのでしょうね」
 曹操は小首を傾げた。
(全く、この人は無防備で困るな。私的なときこそ警戒心を強めなくては危険だろうに。これではあの片目の将軍が心配性になるのも無理はないなあ)
 しかしまた、そういうところが自分と違った意味で人を惹き付けているのだろう、と思う。
 そのうちの一人になりかけている劉備としては、やはり苦笑するしかないが。
「貴方の声が素敵過ぎて、睡魔に襲われる、ということですよ」
 微笑むと、曹操の頬に朱がさした。
「な、なんだ急に。今日のお主は変だ。やはり疲れているのだろう!」
「いいえ、ご覧の通り、私はいたって元気ですよ。そうですね、もっと貴方の声を聞かせてくれませんか。マメに動く貴方の唇もまた魅力的ですから」
 こうして、と言うなり劉備はごろん、と曹操の膝へ頭を乗せる。
「おい、何だこの体勢は」
 さすがに曹操の口調が怒りに染まった。とはいっても、戸惑いのほうが大きい、そういう声音だった。
「いいじゃないですか、この方が貴方の声がよく聞ける」
「そうしたら、またお主は良く寝てしまう」
 分かっているじゃないか、と劉備はくすくす笑う。
 しばらく曹操はどうしようか、と思案していたようだが、諦めたのか、むしろ呆れたっぽいが、どこまで話したか、と言って続きを再開する。
 下から覗くように、曹操の顔を見上げると、やはりどうしても綺麗に形作っている唇が目に飛び込んでくる。
 小気味良く言葉を紡ぐ唇の奥に歯と、そして魅力的な色の舌が覗けると、劉備の睡魔はどこかへ去っていったようで……。
 するっと、頭の脇にある曹操の膝を撫でた。
「……っりゅ……つっ」
 驚いた拍子に、曹操は舌を噛んでしまったらしい。
「ああ、申し訳ありません。見せてください」
 さして心配はしていなかったが、長い手を利用して、曹操の膝に頭を乗せたまま首に腕を絡げた。ぐっと目の前に体を倒させて、涙目である曹操の口元を無理矢理のように開けさせた。
「らいりょーふら、はなへ(大丈夫だ、離せ)」
 モゴモゴ言う曹操に構わず、劉備はその赤い舌先を観察すると、ぷくり、と血が浮かんでいるのを見つける。
「舐めれば治りますよ」
 言うなり、自分のそれと曹操のそれを重ね合わせて、口腔で舌を絡ませた。
「っん、んんっん」
 くぐもった抗議は劉備の口付けがほどけない、と悟った途端大人しくなり、そのまましばらく互いの舌を味わった。
「眠く、なるのではなかったのか」
 離れた途端、曹操が睨み付けてきたが、劉備は平然と答えた。
「覚めました。貴方の唇はそれほどの効果があるようですよ」
 また、私が眠くなってきたら、してください。
 怒るかな、と思ったが言ってみた。
 すると曹操はしばらく押し黙った後、また先ほどの続きを語り始めた。
 満足してふふっと劉備は含み笑うと、ゆっくりと目を閉じた。閉じる間際、曹操の唇をちろっと舐める赤い舌先が、瞼の裏に焼きついた。



***
はい、胸焼けした方、ごめんなさい。
ちなみに私は読み返したとき大笑いしました。

コンセプトは、(天然)タラシVS(計算)タラシはどちらが強いか、という話であり、タラシはタラすほうは強いけど、タラされると実は弱い、みたいな話です。
ちなみに、どっちが天然でどっちが計算なのかはご想像にお任せで。

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