昨日、ここで悩みをぶちまけたところ、反応があって嬉しいやら恐縮やら。ありがとうございます、さわらさん! さっそくこれから覗いてみますね。
そして、変則的ですが、伝書バトのお返事もここで。
12月22日0時37分ころの方へ
おお、それも良いですな~。ネタが浮かべば、そちらもぜひぜひ挑戦したいところですねv 劉操で長編とかもありかな~、などと(←また無謀なことをほざいてます)。しかし、しばらくは長編は……(遠い目)。
ありがとうございます!
まあ、ぐだぐだ言っても、よくよく考えてみると、中身も晒していないのに、聞いてみても仕方がないので、ちょっと序章だけここに晒します。そのうち、お知らせ部屋ももう少し改装して、中身が少し読めるようにする予定です。
では、関劉前提の劉備受けなので、読みたい方だけクリックオンでお願いします。
序
泣き崩れた男の肩を抱き寄せたときに、全ては決まっていたのだろうか。それとも、男を義兄として、乱世を共に渡ると決めた時だろうか。
それとも、すでに初めからだったのだろうか……。
あの、砂埃と血飛沫の上がる中で、歯を食いしばり、瞳に憤怒を滾らせながら、転がる屍をその瞳に映し込んでいた。それでいてここではない遠くを望んでいる、うねる瞳を見つけたときからかも知れない。
得物を振るう手が危うく止まりそうになるほどの、凄惨な光景にあってなおも残酷に輝くその双眸に、例えようもなく苦しくなり、そして手を差し伸べたくなった。何もかもを映し込む強さがあり、遠くを望むその瞳のためには何もかもを投げ打つ、強かな光があった。しかしそれはひどく危険な匂いで、自らの身さえも蔑(ないがしろ)ろにしそうで。
だから、男の代わりに自分はそれを守らなくてはならないと思った。
痛烈に思ったのだ。
それは自分が持つ庇護欲であるのか、それとも導かれる星命(せいめい)のせいなのか。
それとも、やはりこの抱いてはならない想いのせいだったのか……。
震える肩を腕の中に閉じ込めながら、嗚咽を堪える背中を撫でながら、自分は思いを馳せた。
そして声に出さずに呟いた。
『拙者は、兄者と兄者が志す世のために、尽力いたします。この気持ちがどこからのものであろうとも』
関雲長はどこまでも貴方のそばにおります……。
※
ただ、涙をこぼすことでしか方寸を吐露できない自分を、黙って抱き寄せてくれた腕の中で、どうしてこんなにも安らぐのか、分からなかった。
自分よりも武に長け、思慮深い切れ長の瞳はどこまでも澄んでいるのに、自分を義兄として、仰ぐべき主として敬ってくれる義弟を、時折不思議に思う。
どうしてこのように、人として欠落している自分を慕ってくれるのだろうか。
怒りに駆られて剣を振るう横から、不意に飛び込んできた大きな背中を目にしたとき、反射的に味方だと思った。
なぜか、そう思えたのだ。
逞しい、鍛えられた肩から放たれる撃と、舞うように揺れる長い鬚が目に焼きついた。
『大丈夫であるか、劉玄徳殿』
呼ばれた声に深い安心感を覚えたこと、今でも鮮明に思い出せる。
そして、もう一人の大切な男と、義兄弟の契りを交わしたことも。
それから共に歩んできた。決して楽な道のりではなく、むしろ苦しいことのほうが多いし、これからもその道のりの果ては見えていない。それでも、男の自分を見つめる瞳に迷いはない。
その真っ直ぐに向けられる視線が痛く、重く、そして何よりも心地良いのに、それと同じぐらいに不安になってしまう。
今もまた、背中を撫でる大きな手に安堵を覚えるというのに、安堵を覚えれば覚えるほどに不安も増す。
このような兄を、主を、この弟はどう思っているのだろうか。
しかし、それを口にすれば、この手は離れていってしまうようで、どうしても出来ず。
ただ、その腕がずっと外れなければいい、と愚にも付かないことだけ思った。
そして声に出さずに呟いた。
『なあ、雲長。お前は、ずっと私についてきてくれるだろうか』
この、劉玄徳のそばに……。
とまあ、こんな感じで始まるわけです。無事に交地に参加できましたら、お目見え、ということで……。
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