平日なのに、久しぶりに家族全員の休みがかぶった、ということでちょっとした日帰り小旅行をしてきました。
近所の温泉へ行き、アジサイが綺麗な公園へ。
あいにくの雨でしたが、だからこそ綺麗なアジサイたち。

急接近↓ (笑)

その後はカラオケへ。時代の溝は深いのですが(笑)、まあそれなりに。今回は私はジブリってました。ジブリメドレーなどしてみたり。あ、そういえば今日は「魔女の宅急便」ですね。見始めると止まらないので、見ないようにします(笑)。
そして、クレイモアと鋼鉄のOPに挑戦。クレイモア、意外に歌えた。これから持ち歌にするか!? あ、ずっと歌いたかったケロロEDも歌ってしまった。
一度聞くと耳から離れない「くるっと・まわって・いっかいてん」
私の狭い音程と相性が悪いことが判明。う~ん、意外に難しい。
さて、ぼちぼちとお題です。
「小さい頃は可愛かったのに」
「雲長、翼徳を知らんか?」
劉備が関羽の部屋を訪ねると、鏡に向かって真剣な面持ちで髯の手入れをしていた関羽が振り返った。
「知りませぬが、何か翼徳に用ですか?」
「まあ、大した用ではないが、使いを頼もうかと思っていたのだ。だが、姿が見えなくてな」
「拙者が行きましょうか」
「いや、きっと翼徳のほうが適任だと思う。隣村に猪が出没して、畑を荒らすので村人から退治を依頼されたのだ。あいつ、確か故郷では肉屋だったろう? きっと罠の掛け方や扱いに詳しいと思ってな」
「なるほど」
黄巾賊討伐の功績として、現在劉備は安喜県の尉、とい立場が与えられていた。しかし県尉といっても、その仕事の大半はこういった迷惑ごとの解決を依頼され、それを片付けることだった。
「特にこのところ、腕を振るう機をすっかり逸しているから、腐っている。少し働いてもらわんといかんだろう」
苦笑する劉備に、関羽も同じような顔で頷いた。
「翼徳のことです。恐らくはどこかで飲んだくれているのでしょう。探して参ります」
「頼む。私は一足先に村へ向かっている」
※
劉備が依頼のあった村に着いてからも、張飛はしばらく現れなかった。村人たちが不安がって、本当に退治してくれるのだろうか、というざわつきが起きはじめた頃、ようやく張飛がやってきた。
しかしなぜか、関羽に引きずられるようにされている。
「どうした?」
「それが、少し困ったことになりました。翼徳のやつ、相当酔っ払っており、このように、一人では歩けないほどでして」
駆け寄った劉備が尋ねると、関羽が眉を寄せながら張飛を小突いた。するとふらふらと張飛は体を揺らし、にへらぁ、と笑った。
「な~んだ、兄者。俺に用って聞いたぞ。何でも言えって。この燕人張飛様がすぅぐに解決してやるぜぇ」
「完全に酔っ払いではないか、これは」
「そうなのです。しかし取りあえずは連れてこないと、と思い引っ張ってきたのですけど」
こそこそと話す二人の背中に、不信感の込められた村人の冷たい視線が突き刺さる。
「あ~、まあやれるだけやってみようではないか」
劉備はまともに思考が働いているのか怪しい酔っ払いを相手に、状況の説明をしてみた。すると、思ったよりもはっきりとした返事があった。
「簡単だ。あいつらはぁ、必ず決まった通り道がぁある。そこにぃ罠を仕掛けりゃ~いいんだ。でぇ、罠は……」
口調は酔っ払いのそれであるが、言っていることは筋道が通っている。半信半疑ながらも、劉備は村人たちと共に張飛の指示通りに猪の通り道を探し出し、罠を仕掛けた。
「後は、明日の朝にまた来ればぁ、だいじょ~ぶ!」
張飛は罠の完成度を確認してから、にへらぁっと笑って、その場に倒れた。慌てて関羽がその体を支えるが、何てことはない。ただ寝ただけだった。
「やれやれ、本当に大丈夫ですかね」
「翼徳を信じるしかあるまい」
村にはまた明日来る、と伝えて、二人は宿舎への道を戻っていく。すっかり熟睡しているらしい張飛は、関羽の背中で幸せそうな寝息を立てている。
「重いか」
「いえ。ですが、まるで童のようです」
「まったくだ」
「しかも、可愛くない童です」
「はは、まあな」
「……ただ」
言いよどんだ関羽に、劉備は小首を傾げる。
「翼徳を見つけたとき、やはり寝こけていたのですが。寝言で『このままじゃいけねぇよ。俺が何とかするからよ』と」
「……」
「翼徳は翼徳なりに、今の兄者の立場を憂えているのでしょうな。兄者は片田舎の県尉に収まる器ではありませぬ。もっと、もっと高みを目指していただきたい」
関羽が張飛を抱え直す。それを劉備が後ろから支えて負担を軽くする。
「重いな」
呟いた劉備の声に、関羽が答える。
「小さい頃は可愛かったでしょうに。こうなるとただの酔っ払いです」
「ははっ。そのうち、ただの酔っ払いのオヤジや爺さんになる前に、自棄酒ではなく祝い酒で酔い潰させてやる」
「ええ」
次の日、劉備たちが村へ行くと、見事に猪は罠に掛かかっており、張飛の料理の腕が振るわれたことだけ、伝えておく。
おしまい
***
ちょっとだけシリアス。
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