久しぶりに日用品や洋服を買いに出かけたのですが、久しぶりって恐ろしいのです。あれもこれも欲しくなって、かなりお金を。家に帰っておこづかい帳のチェックをしたところ、うかつ! 今月末のイベント参加代とコミケカタログ代を忘れて、その分まで使ってしまいました。今月は他にも車検もあるし(もちろん、車検代は別にとってあるので大丈夫ですが)。
ま、なんとかやりくりです。
しかし車検が安くすめば、コミケ、数年ぶりに二日間参加しようかな、と考え中。なにせ今年はお盆じゃないから、心置きなく仕事も休めるし。
夏へ向けて計画は進みますv
ではお題。
「ハッピーバースディ」
「兄者の生まれた日?」
「ああ」
関羽は張飛に聞かれて、怪訝な顔になった。
「知らねぇか?」
「知らぬな」
「そうか……」
がっくりと肩を落とす張飛に、関羽は首を傾げて聞いた。
「知りたいのなら本人に聞いてみればよかろう」
「それじゃ意味がないんだよ」
「どういうことだ」
「俺ん家さ、兄弟が多くて。まあみんなのところと変わんないけどよ、貧乏だったんだ」
理由を尋ねたが、返ってきたのはなぜか張飛の昔話だった。しかし、話す張飛の顔が真剣だったため、関羽はそのまま耳を傾けた。
「だけど、兄弟それぞれが生まれた日だけは違った。毎年、その日が来ると親父とお袋は必ずいつもより少しだけ豪華な夕飯にしてくれて、生まれたことを祝ってくれたんだ。生まれてきてくれたことに感謝する日だからってな」
照れ臭いのか、張飛は鼻の頭を勢いよく擦った。
「だからさ、兄者も祝ってやろうかなって思って」
なるほど、と関羽は思ったが、腑に落ちない点が幾つかある。
「しかし、今さらではないか? それに、やはり本人に聞かなくては無理であろう。拙者たちは兄者の生まれた日を知らぬのだから」
「あー、そうじゃなくてだ、な。陶謙の爺さんが死んでから、もうだいぶ経つだろう? そろそろ兄者の州牧の祝いをしてあげたいんだよ」
劉備が病床の陶謙より徐州牧を受け継いだのはだいぶ前のこととなる。誰一人反対のなかった引継ぎではあったが、喪に服す、という意味でも、未だ祝宴は開かれていなかった。
「それに、こういうことは突然やったほうが楽しいんだ」
「だが、それでは誕生祝いではなくなってしまうのではないか? それにそれでは兄者が納得せんだろう」
喪に服して宴を拒んでいるのは、他でもない劉備だ。さらに言えば、元々心より望んで就いた州牧ではない。なおのこと、劉備としては祝う気にはなれないのだろう。
「だから、誕生祝いっていう理由付けが必要なんじゃねぇか」
「そうすれば、正当に祝う理由が出来る、と」
「そういうことだ」
ようやく張飛の言わんとすることが分かり、関羽は頷いた。関羽も、劉備の祝いはしたい、と考えてはいた。張飛の思いつきに一も二もなく賛同した。
「それならば、兄者のお母堂に尋ねればよかろう」
劉備の母親は、ひとまず劉備が徐州へ落ち着いた時点で故郷の村から連れて来ている。二人は急いで劉備の母の下へ向かった。
※
「やれやれ……」
それを物陰から、苦笑いをして出てきた男がいた。
「余計な気を回してくれる」
「良いご兄弟に恵まれたではありませんか」
劉備と糜竺だ。
「それはそうだが。このように回廊の目立つところで密談するなど、まだまだであろう。おかげで立ち聞きしたこちらが気を遣ってしまった」
「ははっ。しかしまあ、私も関羽殿や張飛殿と同じ気持ちです。そろそろ良いのではありませんか」
死者の弔いは、生者(せいじゃ)が前へ進むために必要な儀式だ。ならば誕生を祝う宴は、まさにそれそのものではないか。死ぬ者がいる傍らで生まれる者がいる。
悲しむだけでなく喜ぶ心を失っては、生きてはいけない。
「そうかも知れないな」
呟く劉備は、遠くになった弟たちの後ろ姿を眺めて、口元を綻ばせた。
おしまい
***
三国の時代でも、誕生日パーティーとかってあったんですかね~。
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