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いつでも腐女子日和

腐女子な管理人が送る、腐女子発言多々の日々のつれづれ。

久しぶりにお題です

久しぶりに仕事連勤だったり、
なんかばたばた過ごしておりました。
そんなことをしていたら、怒涛の10月が過ぎようとしています。
月が変われば、もう今年はあと2ヶ月ですよ!
びっくり過ぎますね!!

そして、1日はコミケの当落です。
どうかなあ、受かるかなあ、とか思いつつも、
すでにプロットは作り始めているわけですが。

結局、今月あれやりたい、これやりたい、と思いつつも、
出来ていないことが多くて、
月日が経つのは早いものだ、と冒頭に戻る、みたいな(笑)。

ひとまず、11月は見たい映画が集中しているので、
インプットも兼ねてみてきたいなあ、と。
まずは明日、まどまぎ見てくる予定です。
ツイッターでちょろちょろ流れてくる噂によると、
見終わったら

う ろ ぶ ち ~~!!

と叫びたくなるらしいので、期待しておきます(笑)。


さてさて、久しぶりとなってしまいましたが、
お題にいきたいと思います。
久しぶりなので、再びおさらい。

今回は切ない系のお題多め(死にネタ、離別系などなど)
10個に渡るお題の本お題タイトルは、全部が終わったときに発表。
各お題も、小話の最後に明かす。

そんなやり方でやっています。
あ、そんな方式なので、ピクシブ掲載はしていないです。
するとしたら、全部終わったあとです。

というわけで、4つ目は趙雲です。
趙雲と劉備 です。
気になる方は、折り畳みよりどうぞ。








 「趙雲の場合」


 彼の志を支えるのは、義に篤く、彼を兄と慕う男の役目であった。
 彼を屈託なく笑わせるのは、武も猛々しい、末の弟の役目であった。
 彼が進む道を照らすのは、三度も訪ねて迎え入れた、若い男の役目であった。

 彼に仕え、彼を支えたい、と願う者は多かった。
 己もその一人であり、彼に同じ思いを抱く者たちはみな仲間であった。
 ただ、己が仲間たちと違うのは、一度、彼に仕官を断られたことであろう。

「どうしてですか、劉備殿!」
 まだ若かった己は、恐れも恥も知らずに、劉備へ食ってかかった。
「私の武が貴方に仕えるに値しない、とおっしゃるのですか」
「違う、違うぞ、趙雲」
 驚いて首を横へ振るのだが、ならなぜ、と詰め寄った。
「そなたの武技はその若さで雲長たちにも劣らない」
「公孫将軍に義理立てをしていらっしゃるのですか。そうであるなら、これは私の身勝手な願いです。将軍への忠心を裏切るのは私です。貴方が気に病むことはありません!」
 劉備の兄弟子だ、という、趙雲の仕官した相手の名も出した。兄弟子の臣を引き抜く形になることを憂えているのか、という詰問だった。
 それでも、劉備は首を縦に振らなかった。
 劉備殿!
 と、最後には己が認められない悔しさを込めて、足元に縋りついてまで懇願した。
 弱り果てたらしい男は、跪き、視線を真っ直ぐに言った。
「許してほしい、趙雲。私はそなたが怖いのだ」
「……怖い?」
 思いがけないことを聞かされて、言葉を繰り返した。
「だから傍には置けない。もし、再度どこかでそなたに出会うことがあり、そなたから私が恐怖を覚えなかったのなら、その時は、そなたの望みを叶えることができるはずだ」
「……」
 どうして断られたのか、到底、納得など出来なかった。
 ただ、どう粘っても劉備は自分を受け入れることはないのだ、と悟った。跪き、地に付いた劉備の拳は、怖い、と告げた証拠であるように、こまかく震えていた。
 その時の己は渋々引き下がったし、戻ってきたときには物分りの良いふりをして、一時、劉備の元を離れたことには意味があったのだ、という顔を繕った。
 怖い、と言ったことも忘れたのか、今度は、劉備は喜んで趙雲を受け入れた。
 だが、趙雲の奥底では初めに拒絶されたことが、ずっとしこりになり残っていた。

 その劉備は今、趙雲を一人護衛につけ、成都の城下を見下ろしていた。
 先ほどから、随分と長いあいだ成都を眺めている。数歩下がった場所から背中を見守る趙雲には、劉備の顔は窺えない。
 同姓である劉璋を攻めることを、劉備はずっと悩んでいた。仁愛の将軍とも称され、本人も民草へ注ぐ慈しみを惜しんだことはない。だからこそ、侵攻という形になった益州の戦に二の足を踏んでいた。
 しかしすでに益州の主要な城や砦は陥落し、残りは劉璋が籠もる眼下の成都のみだ。
 今さら引き返すことなど不可能だ。
「趙雲」
 静かに劉備が呼んだ。はっ、と短く返事をする。しかし、それから劉備の言葉が続かない。ただ黙って劉備の言葉を待つ。
「……」
 だが、いくら待っても劉備から続きの言葉が聞こえない。
 殿、と呼びかけようとして、気付く。劉備の手が震えている。
 あの時と同じように。
 ただ同じではないのは、己の心構えだった。

 これが、私の役目か。

 ようやく、理解した。
「殿」
 呼びかけると、小さく劉備の肩が揺れた。
「まさかここにいたって迷っているのではありますまい。ここまで歩んできた中で払った犠牲をお忘れになったわけではありますまい。立ち止まることが許されない場所まで、私たちは来ました。あとはもう、前に進むしかありません」
 振り返った劉備の顔は煩悶を宿して歪んでいた。
「貴方の志はすでに貴方だけのものではありません」
 覚悟を迫る。両肩に圧し掛かる覚悟の重さに、ますます劉備の顔は歪んだ。だが、趙雲は小さく微笑んで続ける。
「しかし貴方の苦しみも、貴方だけのものではありませんよ、殿」
 ゆっくりと、劉備が息を吸い、大きく吐いた。
 うむ、と頷いたときには、普段と同じ主の姿であった。
「趙雲」
「はっ」
「手間のかかる主君ですまない」
「いえ、これが私の役目です」
 怖い、と劉備は言った。
 何を持って、どこを見抜いて感じたのか分からないが、劉備は趙雲に、己を糾してくれるであろう強さを見出したのだ。
 それを、まだ若かった劉備は、怖い、と感じ、遠ざけた。
 しかし今、受け止める強さを持ち得た劉備は、趙雲に糾しくあれ、と糾弾することを望んだ。

 己は答えた。

 これからは紛れもなく、己に与えられた役目となろう確信を持った。
 誇りに思う。
 ようやく、奥底に残っていたしこりが消えていく。

 ――私は、貴方の迷いを断ち切る刃でありたい

 それが、劉備を一生涯、守るように立ち塞がった男の役目であった。



 おしまい


 お題「彼の迷いを断ち切る刃でありたい」より





最初にこのお題を見たとき、この4つ目は趙雲以外に思いつかなかったぐらい、
ぴったりなタイトル(お題)だなあって思いました。

無双5の成都攻略とか、無双6の夷陵の戦いとか、
あの辺りの趙雲ですね。
というか、私の中の趙雲の立ち位置かなあ、なんて。

関羽とか諸葛亮だって、劉備を諫めますけども、
劉備が一番耳に痛い、と思うのは趙雲からの諫言じゃないかなあ、と。
そういう感じでどうでしょう。


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