結局、昨日はあれから夜寝どころか、夜中までばっちり起きてサイトをいじっていました。
当然、その反動で今日は夕方まで爆睡。一日が短いなぁ。
それでも、昨日の夜に扇風機を出したので暑さにも負けず寝られたし、ついでに今日は衣替えと本棚の整理、そして部屋の掃除、とマメに動きました。
汗だくだくでしたが。
体が夏に向かって慣れ始めているこの時期が一番辛いかな。
ぽやぽや過ごします。
そしてぽやぽやお題を消化。明日から四連荘だから、しばらくお題はストップです。
「似ているところ、似てないところ」
「はっくしょん!」
劉備がくしゃみをすると、隣で馬を歩ませていた関羽が心配そうに声を掛けてきた。
「風邪ですか?」
「う~む、どうかな。少し鼻がむずむずしただけだと思うが」
言いながら、劉備は鼻をこする。しかし鼻をこすったせいか、余計に鼻腔が刺激されたらしく、立て続けにくしゃみをする。乗っていた馬が驚いて足を止めてしまう。
少しつんのめった劉備を、関羽の腕がすかさず支えた。
「少し休みましょうか」
「いや、そこまでではないよ。くしゃみを連発したぐらいで休んでいては、この先何度休むことになるか」
笑いながら劉備は行軍を促す。劉備の馬が足を止めたせいで、先頭が入れ替わってしまっている。馬の腹を蹴って、軍の先頭へ戻る。
代わりに軍頭にいた張飛が、戻ってきた二人に聞く。
「平気か、兄者?」
「ああ、すまない」
心配してくれる二人の弟の顔があまりにそっくりなので、劉備は可笑しくなる。
なぜ劉備が笑ったのか理解できなかったらしく、弟たちは顔を見合わせた。
「いや、血は繋がってなくとも、似るところは似るのだな、と思ってな」
「なんですか、突然」
怪訝そうになる関羽と張飛へ、劉備はだいぶ様になってきた顎鬚をこすりながら、いや、と誤魔化す。
「血なんか関係ないだろう。俺たちはそれ以上のもんで繋がっているんだからさ」
ほぉ、と今度は劉備と関羽が顔を見合わせる。
「お前も時々は良いことを言うのだな」
「何だよ、雲長の兄者は。時々って失礼だぜ」
「時々は時々だろう」
弟をからかいながらも、関羽は上機嫌な証拠に長く伸びた髯を撫でている。
「翼徳は、いつも物事の真理を衝いてくるから、私はいつもはっとさせれている」
「そうだろう? 兄者は分かってんな」
得意そうに張飛は鼻をこすった。
「兄者は人を調子に乗らすのが得意ですな」
「それはどういう意味だよ、雲長の兄者!」
そんなやり取りを、後ろでずっと眺めていた義勇軍の面々は、くすくすと笑っている。
「あの人たち、どれだけお互いに似てきているか分かってないんだろうな」
簡雍が呟く。
「結局、血の濃さよりもどれだけ傍に居て、どれだけ相手を想っているかってのが重要なんだろうぜ」
肩を竦める簡雍は、やべ、臭いこと言っちまった、と自分の言葉に身震いしている。
外見は似ていないし、血も繋がっていない。しかし時折見せる動作に、はっとさせられるほど似ている部分があって。そしてきっとその志だけは、ずっとずっと強く繋がっている。
劉備の鼻をくすぐった桃の香りが、あの誓いより何度目かの色付きを見せていた。
おしまい
***
似ているところ――劉備と張飛の鼻をこする仕草。劉備と関羽のヒゲを撫でる仕草。関羽と張飛の劉備を心配する顔。
なぁんてところでどうでしょう。
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