戻ってきました(笑)。
ゲームしたりゲームしたり、ゲームしながら、英気を養ったおかげか、
創作意欲戻ってきましたよ~。
なので、今回はお題とともに戻ってまいりました!
そしてゲームは、主に三国志パズル大戦と、艦これしてたわけですけども。
さんぱずは曹操ではじめているんですが、
途中、がちゃで手に入れた李典が思わぬほどツボでして、
どうしよう、とオロオロしているところです(笑)。
だって、連鎖していくと、最後にとんでもない爆弾落としてくれちゃって、
轟沈ですよ!!
以下、掛け声を反転で入れ込んでおくので、
ネタバレ気にしない人は、一緒に悶えようぜ!
「皆」「落ち着いて」「訓練どおり」「やればよい」←このあたりですでに「ひいっ」ってなる
「気負うな」「逸るな」「大丈夫だ」←なんという上官!
「なに」「負けても」「俺の首が」「飛ぶだけだ」←10連鎖目の衝撃
出来た上官ばんざ~~いい!!一生ついていきますだ、りてんさまああ~~。これあれだよ、馬岱とおんなじ、単品萌えだよお。
恐ろしいよ、さんぱず……。
(最初にうろ覚えで書いたので、もう一回きちんと聞いて書き直した)
それから艦これは、だいぶ娘たちは強くなって、
改造もしたりして、2-4をクリアできるレベルに到達したものの、
本日は5回チャレンジして一度もボスまで辿り着けずじまい。
さすが、ラスボスと言われる羅針盤さんやでえ。
ちくしょう。
資材が4桁になってしまったので(改造した戦艦ばっかりつれてくから)、
そろそろ貯金を再びはじめようというところです。
さてさて、お待たせいたしましたが、
たぶん年内最後のお題になりそうな。
本当は、年内で最後のお題まで行きたかったのですが。
曹操と袁紹でお題いきます。
気になる方は、折り畳みで。
「曹操と袁紹の場合」
一人か、と尋ねる声に顔を上げた。
凛々しい顔立ちと長身が、曹操に陰を作っていた。
一人だ、と返した。
怪訝な顔は隠さずに、見上げる。
辺りには、声をかけてきた青年しか居なかった。
「お前こそ、一人か」
聞き返した。
そうだ、と返した青年をますます怪訝な顔となって見上げた。
自分の知る青年は、いつも誰かしらに囲まれていた。賑やかな輪の中で青年はいつも中心で笑っている。だが今日は一人だという。
「それは珍しいな、本初」
「そうだろうか」
袁紹は肩を竦めた。
俺の知っているお前は、いつも、と言いかけてやめた。俺はこいつの何を知っているのだ、と馬鹿馬鹿しくなったからだ。
「何か用か」
「用、というほどのものではない。ただ、君の姿を見たので何となく声をかけた。それだけだ、孟徳」
今度は曹操が肩を竦める番だ。おかしなことを言う奴だ、と思った。何となく、で声をかけてくるほど、二人の仲は親しいわけではなかった。
お互いに、この学府では目立つ存在だ。目立つゆえに、互いに近寄らないため、親しくない、というべきか。
昼と夜を交互に照らす太陽と月のように、決して同じ空には輝かない。
などと考えて、また馬鹿馬鹿しくなって曹操は思考を止めた。
向こうは皆の中心、昼を照らす太陽で、こちらは宦官の孫だと蔑まれる、夜の陰に隠れているような、という卑下した気持ちになったからだ。
嗚呼――馬鹿馬鹿しい。俺は俺だ、と決めただろうが。
「ここは静かでいい」
曹操の隣へ腰を下ろし、ごろん、と草の上に寝転がった袁紹は、長い手足を存分に伸ばした。行儀の良い彼らしくない、粗野にさえ思える所作だ。
「お前の周りはいつもうるさそうだな」
読んでいた書簡の続きに耽るわけにもいかず、相手をする。
「ああ、うるさいな。うるさくてかなわなくて、今日は一人だ」
「そうか」
その言い草が本当に煩わしそうに聞こえたものだから、くすくす、と笑った。すると、不思議そうな視線を向けたので、なんだ、と返す。
「いや、いつも難しい顔をして一人で居るから、笑わない奴だと思っていたが、君は笑うと良い顔をするのだな」
女の子みたいに可愛い、と昔、年上の男からからかわれたことを思い出し、む、とする。曹操の機嫌が悪くなったのを敏感に捉え、袁紹は苦笑した。
「褒めただけだ」
「どうかな」
「疑うなよ。本当だ。君の笑い声はうるさくなくて良い」
「その言い方だと、いつもお前を囲んで愛想笑いをしている者たちの声はうるさく思っているみたいだな」
「その通りだ。はは、まったく君はその歯に衣を着せぬ物言い、面白い」
「だから、俺はいつも一人で居るわけだが」
「なんだ、一人は嫌いか。てっきり好きで居るのかと思った」
「お前こそ、好きで皆の中心に居るのかと思った」
「嫌いじゃない」
よ、と軽く息を吐いて、反動で半身を起こした袁紹は、学府の建物を眺めて呟く。
「嫌いじゃないが、時々ひどく寂しいな」
「そりゃあ、誰も『お前』と向き合って話してないからじゃないか」
袁家の本初、名家の子息、そういう目で見ているから、誰も彼自身と話していない。
外から見ているせいだろうか。
曹操にはそれが良く分かった。
そうか、と袁紹はぽつり、と呟き、立ち上がった。
まるで、知っていた、と言わんばかりの「そうか」だった。
「じゃあ、君は私にとって、初めて『私』と話してくれた友人だな」
「勝手に友人にするな」
一方的に話しかけ、一方的に決めてきた青年に曹操は言い返すが、曹操にとっても「宦官の孫だ」と蔑まずに話しかけてきた貴重な相手だ。
ははは、と笑う袁紹は、曹操の反論に耳を貸した様子もなく、すたすた、と来たときと同様に、さっさと消えていった。
それから、袁紹は時折曹操の前に現れては、雑談とも言えない雑談をしては去っていくことを繰り返し、いつしか二人は本当の友人と言える仲になっていた。
ある日、袁紹が官吏の位につく、というので学府を去ることになった。
「なあ、孟徳。私は君に会えて良かったよ。少なくとも、君の声を聞いていると一人ではなかった」
「……そうか」
「君の声は、きちんと『君』を見てくれている人がいる暖かさに包まれている」
急にどうした、と茶化しても良かったが、黙って聞くことにした。それほど、袁紹の声は真剣だった。
「私は、君の声や笑い声を聞くのが好きだったよ」
「そうか」
「そうだ」
そう言って、袁紹は学府から、曹操の前から去っていった。
しばらくして、曹操も北部尉の位を得て、一人前となる。その後、袁紹と再会したとき、以前の彼には覚えなかった虚勢とひどく強い孤独感を目にすることになる。
名家として、袁家の男として、曹操と会わない間に彼が少しずつ培った物と同じぐらいに、削り落とさないとならない物があったのだろう。
本当は――
あの別れ際、「そうか」などという素っ気無い言葉ではなく、心の奥底で言えずにいた言葉を青年へ告げていれば、目の前の男はもう少し違う男になっていたのだろうか。
嗚呼――やはりそれも馬鹿馬鹿しい。
今は今だ、と俺は決意したのだろう。
過去に、血に囚われるのは懲りたのだ。
本当は、ずっと、お前の傍で孤独を癒す音でありたい――
そう願ったことも、もう今となっては遠い昔の思い出だ。
おしまい
お題「彼の孤独を癒す音でありたい」より
長編連載している「覇道の在り処」別バージョンの落し所みたいな話になりました。
[2回]
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